ITOH Akihiko

ハンブルクはなぜかラーメン不毛の地である。日本人街のあるデュッセルドルフとは比べるまでもなく、ベルリンやフランクフルトなど他の大都市と比べても本格的なラーメンを出す店が少ない。 それでも美味しいラーメンが食べられる店はあるので、個人的な経験のみを基にレビューをしていく。僕が訪れてラーメンを食べてみて美味しいと思った店だけをリストアップする。今後新規に訪れた店が気に入ればリストに追加していく。 注: 特定の店を持ち上げたり貶したりする意図はないので、点数をつけてランクを付けることはせず、褒めるところがない店には言及しない。リストに登場する順序にも特に意味はない。逆に、リストに乗っていないからといって「褒めるところがない」店であるとは限らないことに注意してほしい(行ったことがないだけかもしれない)。リストにある各店舗でラーメン全種を食べたわけではないことも断っておく。 概況 Google Mapsで“ramen”を検索すると出てくる店。基準がよくわからないが、ラーメン専門店もあれば、ラーメンも出す寿司屋とか和食屋もあるし、ラーメンを出す店でここに出ていない店もある。大まかな傾向として、西のAltona駅周辺、東の中央駅周辺と、その間のSt. Pauli、Sternschanze、Eimsbüttelエリアに店が集中している。これはラーメン屋に限ったことではなく、単に飲食店の多いエリアにラーメン屋も多い、というだけ。

ハンブルクのラーメン屋レビュー
ハンブルクのラーメン屋レビュー

ハンブルクはなぜかラーメン不毛の地である。日本人街のあるデュッセルドルフとは比べるまでもなく、ベルリンやフランクフルトなど他の大都市と比べても本格的なラーメンを出す店が少ない。

それでも美味しいラーメンが食べられる店はあるので、個人的な経験のみを基にレビューをしていく。僕が訪れてラーメンを食べてみて美味しいと思った店だけをリストアップする。今後新規に訪れた店が気に入ればリストに追加していく。

注: 特定の店を持ち上げたり貶したりする意図はないので、点数をつけてランクを付けることはせず、褒めるところがない店には言及しない。リストに登場する順序にも特に意味はない。逆に、リストに乗っていないからといって「褒めるところがない」店であるとは限らないことに注意してほしい(行ったことがないだけかもしれない)。リストにある各店舗でラーメン全種を食べたわけではないことも断っておく。

概況

Google Mapsで“ramen”を検索すると出てくる店。基準がよくわからないが、ラーメン専門店もあれば、ラーメンも出す寿司屋とか和食屋もあるし、ラーメンを出す店でここに出ていない店もある。大まかな傾向として、西のAltona駅周辺、東の中央駅周辺と、その間のSt. Pauli、Sternschanze、Eimsbüttelエリアに店が集中している。これはラーメン屋に限ったことではなく、単に飲食店の多いエリアにラーメン屋も多い、というだけ。

価格は一杯10€から15€程度が相場。大抵追加トッピングができ、唐揚げや餃子などのサイドメニューがあることが多い。ビーガン向けメニューを提供する店も多い。

日本のラーメン屋とは外食産業の中での立ち位置が少し違っていて、さっと座って注文して数分で提供され、ぱっと食べて出る、という感じではなく、どちらかというと、サイドメニューをつまみながらラーメンが出てくるのを待ち、ゆったり食事をする感じになる。夕方のみ営業している店もある。

それから、日本にある中華料理店が必ずしも中国人経営ではないのと同様、ドイツにあるラーメン屋・和食屋も必ずしも日本人経営ではなく、ベトナム系なども多い。日本人の経営する店は店員も日本人や日本語が話せる人が多いので、ドイツ語や英語に不安のある人は日本人経営の店のほうが行きやすいかもしれないが、日本人経営だからラーメンが美味いとか、そうでないからまずいとかいうこともない。当たり前のように思えるが、当地の日本人の中には、僕が「ここのラーメンが美味しかった」という話をすると「でも日本人経営じゃないでしょ?」と自動的に懐疑的な目を向ける人がいて、僕にはそういう感覚が理解できない。

Ramen Bar Zipang

僕がハンブルクで初めて行ったラーメン屋であり、初めて行った日本食レストランである。日本を離れて一ヶ月ほど経ち、ケバブやパン食に食傷気味になっていたときに久しぶりに食べた日本の味だったことや店員さんの感じがよかったこともあって、ラーメンを啜りながらしみじみとした。

が、ラーメンが特別美味しいかというとそうでもなくて、その後数回行ったきり行かなくなってしまった。唐揚げやチャーハンなどのサイドメニューは美味しかった記憶がある。カウンター席があり、一人でも行きやすい。

住所: Eppendorfer Weg 62, 20259 Hamburg

Wabisabi Ramen

とにかくチャーシューが美味い。半熟の味玉も良い。スープはこってり寄りで、ガッツリ食べたい人にはおすすめ。人によっては濃すぎると感じるかもしれない。内装は居酒屋を思わせる。DOM期間中を外せば比較的人通りの少ない開放的な場所で外の席で食べられるのも良い。

サイドメニューにはたこ焼きなど日本風のものと、Bun Baoなどベトナム風のものとがある。Red Ramen(豚骨スープ)がおすすめ。

住所: Karolinenstraße 6, 20357 Hamburg

Ume no Hana

「Pho vs. Ramen」というコンセプトで、フォーとラーメンの両方を提供する店。しっかりとした旨味の奥にわずかにベトナム料理の面影を残すスープはちょっと不思議な感じ。店に漂うベトナム料理の匂いによるのかもしれない。歩道上ではなく敷地内にテラス席があり、自家製レモネードなどとともにゆったり食事ができる。担々麺がおすすめ。

住所: Thadenstraße 15, 22767 Hamburg

MOMO Ramen

店内の雰囲気は落ち着いていて、ラーメンはあまり特徴はないが本格的で美味しい。フロアがふたつあり、ゆったりと食事ができるが、人手が足りていない印象があり、注文するにも会計するにも少し待つことを覚悟する必要がある。味噌ラーメンがおすすめ。

住所: Margaretenstraße 58, 20357 Hamburg

Takumi Ramen Station Ottensen

Altona駅近くに比較的最近オープンした店。デュッセルドルフやフランクフルトでよく知られた店がハンブルクに来るということで期待していた。鶏ベースの本格的なスープは美味しいが、上品系のラーメンにしては完成度が低く、ガッツリ系のラーメンにしては物足りず、中途半端な印象。サービス砂漠と言われるドイツの基準でもちょっと酷いなという態度の店員さんもいて、総じてあまり行きたくならない。

住所: Große Rainstraße 20, 22765 Hamburg

Kokomo Noodle Club

ドイツ化されたラーメンを出す店。近所に住んでいた頃、同居人とたまに食べに行った。スープはあっさりしていて、本格ラーメンを期待しなければ美味しく食べられる。店内の雰囲気もこじんまりしていて良い。

が、とにかく提供に時間がかかることが多く、30分近く待つこともしばしば。1時間以上待ったこともある。

住所: Clemens-Schultz-Straße 41, 20359 Hamburg

AOMAME

エルベ川の南側、Wilhelmsburgにある店。本格ラーメンというよりは、鶏や鴨の唐揚げが乗るアレンジ系だが、本家に対するリスペクトが感じられる。エルベ川の南では現時点で唯一ではないかと思われるラーメン屋。店内は落ち着いた雰囲気。

住所: Veringstraße 155, 21107 Hamburg

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一昨年引っ越してから、ジムが家から徒歩一分という至近距離になった。ちょうどロックダウンと重なってしまい、一年間会費だけ払っていたのだけれど、去年の夏頃からまた通い出した。

ジムでのウェイトトレは学生時代に始め、途中数年間の中断を挟んでドイツに来てまた再開した。なにか目的があってやっていたというよりは、高校卒業以来、大学で少しやったきり剣道をやらなくなったので運動不足を解消したかったのと、筋肉は安上がれなオシャレだ、みたいな感覚で始めたんだと思う。

学生時代はトレーニングの頻度も週に一、二回、時間があるときにやる程度で、栄養とか休養とかそういうことは考えず、ベンチプレスで挙げられる重量が上がっていくのが楽しくて上半身ばかり鍛えていた気がする。ドイツに来てからも筋トレに対する姿勢は基本的に変わらず、頻度は月一くらいになっている時期もあった。

去年からは、明確に「剣道に活かす」という目的を持って筋トレをするようになった。具体的には、

  1. 体を大きくする
  2. 足から手まで「繋がった」動きを可能にする筋肉を獲得する

ということを主眼においている。

体を大きくする

これは、ヨーロッパの体の大きな選手を相手にしても当たり負けしない、体当たりになっても怪我をしない体を作ると同時に、竹刀より上手く制御できるようにしたいという狙いがある。同じ重さのものを動かすのでも、体重が重いほうが御しやすい。重いものを動かす場合や、竹刀による打突のように軽いものを速く動かす場合には特にそう。

去年は「10kg増量」を目標にして、ギリギリ達成した。

足から手の先まで「繋がった」動きを可能にする筋肉を獲得する

これは、剣道の稽古の機会や内容が限られる環境で、身体能力の向上は稽古の外に持ち出すことで、稽古では技の習得・精度向上や駆け引きなど、剣道の稽古の中でしかできないことに集中しようという狙いがある。

剣道に必要なのは腕力だけでも脚力だけでもバキバキに割れた腹筋でもない。しっかり床を捉えて足腰で体を推進・駆動し、姿勢を崩さずに力を竹刀に伝えるところまで、力が途切れずにつながっていなければ、良い打突は生まれない。マシン等を使ってトレーニングをする場合は逆に、どの筋肉を鍛えるのかを意識して、効かせる部位を「分離」して鍛えるので、全く逆の発送のような感じがするけれど、そうではなくて、一度に鍛えるのは特定の部位だけだとしても、剣道に必要な全身の筋肉を抜け・ムラなく鍛えていけば良いと思っている。

ここまでは実は前書きで、最近ジムでトレーニングをするときに気をつけている(些細な)ことがある。

なるべく静かに器具を置く

例えばバーベルをラックに置くときや、ダンベルを床に置くとき、あるいはレッグエクステンションを終えるとき、「ガシャン」「ドスン」という音を立てないように静かに置く。

理由はいくつかある。

安全

ベンチプレスで追い込み、最後の1レップをなんとか終えて肘が伸び切らないままラックに置いたと思ったら置けていなくて危うく大怪我、ということは筋トレを始めた頃に何度かあった。雑にバーンという置き方をすると、またいつそういうことになるかわからない。

マシンを雑に扱うと破損して自分が怪我をするかもしれないし、チェストフライのようにストレッチを意識するような種目だと、むやみに力を抜いて一気に伸展すると、筋肉や関節に負担がかかる。

ダンベルを床に落とすようにすると、思わぬ方向に転がっていって周囲の人に怪我をさせるかもしれない。

残心

もうこれ以上保持していられないというところまで追い込んでから器具を静かに置くというのはかなり難しい。一刻も早く楽になりたいという気持ちを押さえつけて、最後まで正確にコントロールしなければならない。

これは剣道の残心につながる。打ち合いから良い打突が生まれたとしても、残心がなければ一本にはならない。あと5秒で試合終了というところで気を抜いて打たれたりすることもあるかもしれない。激しい試合のあとだからといって礼法をなおざりにするのも非常にダサい。

ジムでのトレーニングでも「気を抜かない」「最後の最後まで丁寧にやりきる」ということを意識したい。

(ガシャガシャ音を立てるのが)ダサい

これはいままでジムでいろんな人を見てきた経験からくる偏見による。ガシャンガシャンとやたら大きな音を立てている人はだいたいメチャクチャなフォームであまり意味のないトレーニングをしている。

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2021年12月17日、ドイツのハンブルクからパリ経由で成田空港に到着した。飛行機から降りたのが午前11時過ぎだったと思う。検疫所の指定する待機施設(ホテル)に到着したのが夜8時頃。6日間の施設待機ののち実家に戻り、大晦日の今日いっぱいで”自主”隔離の期間が終了する。

一口に水際対策といっても、日本人が対象のものと外国人が対象のものでは根拠法からして違うようだし、直近に滞在していた国(≈出発国)によっても内容が違う。どこのどのような施設で待機を求められるか、というのは運や帰国の時期次第のようでもある。要するに各人の経験は互いに大きく異なっていて、Twitterなどでは、初日から自宅等での待機が認められた人の「そんなにひどいもんじゃなかったよ」というような経験談と、ナントカ大学校の薄汚い寮に押し込められた人の「まるで刑務所、犯罪者扱いだ」というような経験談がごちゃまぜになって流れてくるので、当事者以外には一体何が起きているのかよくわからないんじゃないかと思う。そもそも自分自身や家族、友人などが当事者でない、日本に住んでいる”普通の”日本人にとっては関心の対象ですらないかもしれない。

ここでは、あくまで僕自身の視点で、この2週間に経験したことや考えたことをまとめておこうと思う。また、水際対策について「論ずる」タイプの文章でないことは断っておく。水際対策に直接関係ない記述をふんだんに含む、だらだらとした旅行記的なものと思ってもらえればよい。

思いのままに書いているうちに長くなってしまい、すべてを今日中(今年中)に書くことが難しそうな感じになってきたので、待機施設に到着するところまでを第一部として先に公開し、続きはあとから公開することにした。

帰国の計画

2020年末、ちょうど今回と同様の日程で帰国した。当時は到着後の自主隔離は文字通り「要請」で、公共交通機関を使おうがすぐにどこかへ飲みに出かけようが特にお咎めはなかっただろうと思うけれど、それは信条に反するので両親に空港まで車で迎えに来てもらい、14日間は実家から一歩も出ず、車の中でも家の中でもマスクをして過ごした。

2021年は割と忙しい年だった。正確に言うと、忙しく感じた年だった。去年の6月に働き出した会社で信頼を勝ち取り、いろいろな仕事を結構自由にやらせてもらった。一方で、マネジメントや採用など、経験のないことにも手を出し始め、いちエンジニアとしてやりたいことと、将来のキャリアの土台になる(かもしれない)仕事のバランスを取るのに苦労した。だんだん器用に仕事をこなせるようになってきて、日中にジムに行ったり昼寝をする時間を確保できるようにもなったのだけど、仕事が終わる頃には疲れ果ててしまい、それから夕食の準備をしたり剣道の稽古をして帰ってくると、もうあとは食べてNetflixでちょっと何かを観て寝るだけ、というような日々を繰り返すことが多かった。仕事終わりや週末に個人プロジェクトをやろうとか、ゆっくり本を読もうというような気にもなかなかならず、暗くて寒い冬が始まってからは更にその傾向が強まった。

前置きが長くなったけれど、本来なら数ヶ月前には帰国の予定を立てて休暇を申請し、航空券の予約などしておきたいところが、「水際対策の行方がわからないから」などと言い訳しながら先延ばしにし、重い腰を上げたのが11月の2週目だった。上司には以前から折に触れて言っていたとおり、ほとんど使わずに残っていた有給休暇をまとめて取って丸一月の休暇にした。給料が上がった一方で支出は減り、フトコロに余裕があったので初めてプレミアムエコノミーのチケットを取った。

その時点ではドイツからの入国者は14日間、自宅等で自主隔離を求められることになっていたので、両親の都合のつく日時に到着する(最安でも最速でもない)便を予約し、昨年同様空港まで車で迎えに来てもらい、実家で14日間を過ごすつもりでいた。

ところがその後になって、ドイツからの入国者は6日間、検疫所の指定する施設(ホテル等)での待機を求められることになった。こんなことになるなら最安もしくは最速の便を予約すればよかった、もう一日早い便を取ればよかったなどと後悔したが、後の祭りである。

帰国直前

搭乗・入国に際してPCRテストの陰性証明書が求められるので、出発二日前に、ハンブルク空港内のテストセンターで89€払って「PCR (Japan)」というのを受けた。

出発当日、早朝ということもあって比較的空いているハンブルク空港を発ち、パリCDG空港に到着。空港内で感染、なんてことになると困るので、できるだけ空いているエリアを探して、仕事をしたり本を読んだりしながら約5時間を過ごした。

予定ではそろそろ搭乗開始、という時間になって搭乗口近くの様子を伺うと、当然ながらそこにいるのは大半が日本人と思しき人々である。軒並み落ち着かない顔をしているように見える。

そこへ、どう考えても日本行きとは思えない人々が、静かに搭乗開始を待っていた日本行きの集団と同数かそれ以上の数で押し寄せてきて、ガヤガヤと騒ぎながら列になるようなならないような形で搭乗口に集まりだした。ディスタンスもクソもない、密集状態。

搭乗口のAir France職員たちも混乱しているようで、成田行きの表示とアナウンスがされているのに搭乗口に殺到しているのはおそらく全然別の目的地へ行く人達。やがて両集団が入り乱れ密集する形となり、僕はそれを少し離れて観察していた。あとから来た集団のうち、一部はゲートを通って搭乗していったが、他の人々はやがて大騒ぎしながらどこかへ去っていった。

予定より30分-1時間ほど遅れてようやく搭乗が開始され、さらに機材の不備で出発が更に1時間ほど遅れてようやく飛行機は日本へ向けて飛び立った。「あの密集状態で感染が広がっていてもおかしくないな」と思った。

プレミアムエコノミーの席は確かにエコノミークラスの席より明らかに広くて脚置きと足置きがあって快適だったし、隣の席との間にはしっかりした仕切りがあって、隣の人の膝がハミ出してくるとか、肘置きの奪い合いになるとかいうことはなさそうだった。しかしこのご時世、飛行機はガラガラで、僕の隣は空席だったし、エコノミークラスで3列独占状態になっている人も多かった。プレミアムエコノミーより、エコノミーで3列独占のほうが快適だろう。

到着〜入国

到着

飛行機が成田空港に到着すると、まずは乗り継ぎの客が降ろされ、われわれ入国組は15分ほど遅れて降機を開始した。噂に聞く「スタンプラリー」の開始である。

一列に並べたパイプ椅子に座らされ、必要な書類を一通り持っていることを係員が一人づつ確認していく。その後いくつのチェックポイントがあり、具体的に何をどういう順番で行ったかはもうはっきり覚えていないが、健康管理シートだかなんだかいう追加の紙切れを渡され、書類を見ればわかるはずのことを繰り返し尋ねられ、体温測定をし、MySOSというアプリを入れさせられ、位置情報がonになっていることを確かめるためにGoogle Mapsを開けなどと言われたりした。「誓約書」の確認も複数回あった。この「誓約書」は滑稽極まりないと同時に恐ろしいもので、目にしたことがない人はぜひ読んでみてほしい。

要するに、入国後14日間は指定の待機施設から外出しないことや、位置情報の追跡、所在確認のためのビデオ通話などに応じることなどを「誓約」させるもので、それだけならまだしも、制約に違反した場合は氏名等が公表され得ることの承諾も含んでいる。要するに、法的根拠のない罰則をチラつかせて水際対策への”協力”を半ば強制しようというわけである。これについては後述するが、僕は感染防止策には端から協力するつもりであるものの、個人情報の公表などという法的根拠もなければ実効性にも乏しい(e.g. 僕は氏名が公表されたところで痛くも痒くもない)”罰則”に同意するつもりはなかったので、「感染防止策には自分の意思で協力するが、誓約はしない」旨を書き加えて提出した。スタンプラリーの途中、検疫所の職員と思われる人が誓約書をチェックした際は、ん?という感じで手を止め、僕の書き足した内容を何度か読み返した後、確認済みを意味するチェックマークをくれた。

そんなこんなで最後にPCR検査を受けて、本来は乗り継ぎの搭乗口であろうと思われる場所の、番号付きの椅子に着席してテスト結果を待つよう指示される。ここまでで到着からおよそ1時間が経っていた。

スタンプラリーの途中、喫煙習慣の有無やアレルギーの有無、あるいは同行者の有無など、滞在施設への振り分けに関わる質問を受けた。僕はリキッドタイプのeシガレットを吸うが、厳密に言うと喫”煙”はしない。実際壁紙などに臭いや色がつくような性質のものでもない。要するにニコチン入りの香りつき蒸気のようなものなので、禁煙部屋でも実質的な問題は生じないのだけど、後で文句を言われても面倒だし、気兼ねなく吸えるならそのほうがいいと思って「喫煙」にチェックを入れた。

同じ便で到着したと思われる人が数十人、次から次に着席していく。去年の帰国時と同様、30分程度で結果が出て呼び出されるものと思っていたが、30分が1時間経っても呼び出される気配がない。しびれを切らした人が職員に尋ねているのが耳に入ったところによると、どうやらテスト結果はとっくに出ていて、待機施設であるホテルの部屋を確保するのに時間がかかっているということだった。2時間か3時間くらいたってようやく、同便で到着した人々の多くが順に呼ばれて去っていった。彼らを集めて職員が説明することには(聞き間違いでなければ)、彼らは「中部のどこか」へ連れて行かれるということだった。喫煙できる部屋の確保に時間がかかっていることもこのあたりで知った。

10人ほどと一緒に取り残された僕は、どこか遠くへ連れて行かれることを覚悟した。機内での朝食以来なにも食べておらず、空腹でボーッとしてきたので、せめて何か食べるものはないのかと尋ねると、パンと水を配ってくれた。さらに待つこと約2時間、ようやく呼び出しがあり、検疫所による入国前の最終チェックポイントに向かい、テスト結果の通知と待機施設の通知を受ける。

ホッとしたのもつかの間、僕の「誓約書」を見た検疫官が、「名前が書かれていないので受理できない」と言う。名前は二箇所にはっきりと記入してあると伝えたが、「___は、(中略)誓約いたします」の下線部に名前を書かないといけないという。手に負えないので検疫所の「上席」なる人物と電話で話してくれ、ということになり、電話を借りてその「上席」と小一時間押し問答をした。これについても後述するが、根負けした僕が穴埋めをして「誓約書」は受理された。しかし、僕が乗るはずだったバスは当然僕を置いていってしまったので、再度呼び出しを受けるまで更に1時間ほど待った。

入国・ホテル着

飛行機が成田に着いてから実際に入国するまで、約8時間を要したことになる。入国手続自体は通常通りで、自動ゲートを通って入国し、預け荷物のコンベヤへ行く。「優先受け渡し」どころの話ではなく、約8時間に渡って放置されていたのであろう2つのスーツケースを回収し、税関で酒類の税金を支払ってバスを待った。

不幸中の幸いとでもいうか、遠方ではなく空港隣接の東横インへ他の十数人とともに運ばれ、ホテル滞在のガイダンスを受け、部屋に入ったのは夜8時ころだった。

(続く)

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パンデミックにより延期され、2021年の今開催されているUEFA EURO2020。昨日はミュンヘンでドイツ対ハンガリーの試合が行われ、辛くも引き分けに持ち込んだドイツが決勝トーナメント進出を決めました。

この試合に先立ってドイツで議論になっていたのが、「ドイツ-ハンガリー戦に合わせてミュンヘンの競技場を虹色にライトアップする案をUEFAが拒否した」ことの是非です。

背景

ことの発端はハンガリーで5月に提案され、6月に成立した、未成年に対して同性愛や性転換を宣伝・奨励することを禁止する法律です。法律のそもそもの趣旨は、児童に対する性的虐待を防止する、ということのようですが、そこに反LGBT的な要素が加わったことや、具体的にどのような行為が「同性愛や性転換を宣伝・奨励する」とみなされるのかが曖昧で、性的少数者を抑圧するために濫用されかねないということで、EU各国が非難の声明を出すようなことになっています。

それに呼応して、ドイツ-ハンガリー戦の開催地であるミュンヘン市が、試合に合わせて競技場を虹色にライトアップすることを提案し、主催者であるUEFAが政治的中立性を理由にその提案を拒否する、ということが起こりました。「虹色」というのはこの場合、いわゆるレインボーフラッグの色を指します。

競技場を虹色にできないならと、ドイツチームのキャプテンであるノイアーが虹色の腕章を着用したり、観客が虹色を着用して競技場入りしたり、ミュンヘン以外の競技場企業こぞって虹色を取り入れたプロモーションを展開したりと、虹色を表示することが一種の社会現象のようになっています。

UEFAの決定に対する批判

UEFAの決定に対するドイツメディアや人々の態度は総じて、「UEFAは偽善的だ・矛盾している」というものです。

確かに、UEFAは多様性や公平性を謳っていて、虹色の表示に反対する理由はないように見えます。実際、昨日の試合前には、「虹色は政治的シンボルではなく、多様で包括的な社会を目指す決意を表すものだ」という趣旨のツイートをしています。「UEFAにはハンガリーに忖度しなければならない理由(変異したコロナウイルスが広がるイギリスの状況次第では決勝戦をブダペストで開催するかもしれない)があるのだ」というような批判もあります。

一方で、UEFAは他の多くのスポーツ組織と同様「政治的中立性」を謳っていて、ミュンヘン市のライトアップ案を拒否した理由にも挙げられています。

この「『虹色』は政治的なシンボルではない」と言いながら「競技場を虹色にライトアップするのは政治的な行為だ」というUEFAの態度は、一見たしかに一貫性を欠くように思えます。しかし本当にそうだろうか、ということを以下で考えてみたいと思います。

UEFAの決定を批判する人の多くが理解していないのが、「メッセージや行為それ自体は政治的でなくても、状況次第では政治的な意味を持ちうる」ということと、「政治的中立性は、主張の『正しさ』に関知しない」ということです。

ミュンヘン市の案に対するUEFAの回答は、端折って和訳すれば以下のようになります。

UEFAはミュンヘン市長から、ドイツ-ハンガリー戦において競技場を虹色にライトアップすることを要請する手紙を受け取りました。

この手紙の中で、市長は、ハンガリー国会の政治的決断(“反LGBT的”法案の可決)が背景にあることを強調しました。

UEFAは、要請の意図が多様性や包括性を奨励することであることを理解していますし、それは欧州各国のチームや選手たちと協力してUEFAが支援してきたことでもあります。

しかし、UEFAは定款により政治的・宗教的に中立であることが定められています。今回の要請の意図が、ハンガリー国会の決定に対するメッセージであるという政治的な文脈を踏まえると、要請を断らざるを得ません。

UEFAは、6月28日もしくは7月の3-9日(どちらもChristopher Streetにちなむ欧州LGBTコミュニティにとっての記念日・週)に競技場をライトアップすることを提案します。

メッセージや行為それ自体は政治的でなくても、状況次第では政治的な意味を持ちうる

UEFAは、「虹色や、それを掲げる反差別の運動」それ自体を政治的だと言っているのではなく、対戦相手国の政治的な決定に対して明示的にメッセージを送ろうとすることが政治的だと言っています。言い換えれば、メッセージの内容ではなく意図が問題だということです。

サウジアラビアと対戦する国が、その試合の日に限って「競技場内ではアルコール飲料と豚肉料理しか売りません」と言えばそれは明らかに宗教的あるいは政治的なメッセージになります。

ある人が真夏に外へ出て「暑い!」と言うのは勝手ですが、例えばAさんが、在宅勤務中の私に「Bさんが冷房の設定温度を上げたからオフィスが暑い!」と文句を言ってきたら、暑がりの私でも「Bさんに直接言ってください」というでしょう。「Bさんに直接言う」というのは、政治の場でハンガリー政府に対して、あるいはスポーツ以外の場でハンガリー国民に対して、直接働きかけていく、ということに対応します。

ミュンヘンの競技場がそもそも虹色をしているとか、毎週水曜日は虹色のライトアップをすることになっているとかであれば問題にはならなかったでしょう。実際UEFAは、直近に訪れるChristopher Street Dayに合わせてライトアップすることを提案しています。この逆提案がまた反感を買っているようですが、「(LGBTコミュニティにとっての記念日である)Christopher Street Dayではなく対ハンガリー戦でなくては意味がない」という主張それ自体が、ライトアップが政治的なメッセージであることを示しています。

政治的中立性は、主張の『正しさ』に関知しない

競技場を虹色にライトアップすることの政治性を認めた上で、「でも我々は正しい・良いメッセージを送ろうとしているのだからライトアップを認めるべきだ」という主張も見聞きします。

これは、冷房の例えで言えば「そうはいっても設定温度が30℃って異常だからやっぱりBさんに一言言ってやってよ」という要求です。確かに30℃は暑すぎだな、とは思いつつも、やはり在宅勤務の私(UEFA)は「冷房を巡るあなた方の争いには関わりません」と言うでしょう。Slackに#atsugariチャンネルを立てて暑がり仲間と対策を話し合ったりはするかもしれませんが。

この「良いメッセージだから」政治的中立の原則を無視してよい、というのは独善的で、全体主義的な考えに思えます。自分たちが正義と思っていることが相手にとっては不正義であるからこそメッセージが政治的な意味を持つわけで、「自分たちが正しく相手が間違っている」という信念の度合いが強いほど、政治的中立は忠実に守られなければならないでしょう。

政治的に対立する国々が集まって平和的にスポーツで競い合うことに価値があるわけで、そこへ政治が入り込む余地を与えてしまえば、仲良し同士、内輪の競技会しかできません。

スポーツにおける政治的中立性は、いわば対立する国々の間の緩衝地帯のようなもので、「正義の我々が緩衝地帯もろとも支配下においてやろう」などというのは、野蛮すぎるでしょう。

その他

私自身、多様性を謳うことが政治的だとは思いません。世の中には多様な人が「いる」のであって、それを素直に認めてお互いを尊重して生きようというだけのことです。しかし、多様性や個人の幸福よりも画一性や全体の調和を重んじる社会もまた「ある」わけで、そういった社会にも多様性を重んじる価値観を根付かせようと思えば、政治的な働きかけが必要になるでしょう。実際、EUやEUメンバー各国が、ハンガリー政府を批判する声明を出していますし、今後も各レベルで働きかけが続いていくでしょう。その場合でもやはり「我々が正義で奴らは悪だ」というような単純な二元論にはどちら側でも賛成しかねます。生産的でなく、分断を恒久化することになりかねないからです。

ドイツを始めとする欧州諸国は負の歴史から、全体主義やスポーツの政治利用の害について学んだものと思っていましたが、主流の考えが人種差別的なナチとは反対側に移ったと言うだけで、根本的にはあまり変わっていなさそうなことが透けて見えて残念です。

今回の試合、ゴール裏のハンガリー側の応援席には、ネオナチとして知られるフーリガンが集まり、反LGBTのメッセージを表示したり、ナチ式の敬礼をしていました。一部は逮捕されたとは言え、他の試合でも人種差別的な言動を問題視されていた彼らを排除しなかったことは批判されて当然でしょう。

「ハンガリーはEUメンバー国であり、EU共通の価値に 沿う必要がある」とか「他のEU諸国も他人事と捉えるべきではない」という主張もそれ自体はまっとうな主張ですが、UEFAはEUと特に関係なく、ハンガリーがEU憲章に違反しているからといってUEFA主催の大会からハンガリーを締め出したりできるわけではなく、的外れです。

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半年くらい前から、車を買い替えたいと思うようになり、特にこの数ヶ月は血眼になって中古車検索サイトを行ったり来たり、いくつか試乗もした。 車の使いみちは、週に数回、剣道の稽古に行くのに往復10km程度移動するのがメインで、試合などで月1くらいの頻度で往復1000kmくらい走ったりもする。今乗っている車(二年前に同じ道場の人の日本帰国の際に譲ってもらったAudi A1)は、この用途にはぴったり。全長4m弱と小柄なので駐車スペースを見つけるのにもさほど苦労しない(後述)。7年落ち走行距離約7万キロでトラブルは今の所全くなし。竹刀が荷室に入らないので前席を倒して後部座席に置かないといけないのが面倒なくらいで、特に不満はない。 週末などに剣道の大きな試合やセミナーのために旅行するとき、ドイツでは基本的に体育館に各々マットレスや寝袋を持ち込んで雑魚寝をする。シャワーもトイレもあるし、体育館によっては暖房や電源もあるし、何より安上がりなので合理的ではあるのだけど、遅くまで酒盛りをする人や猛烈ないびきをかく人がいたりして、安眠できるかどうかは運次第ということもあるし、腰痛持ちの僕は寝袋やエアマットレスでは腰や背中の痛みで夜中に何度も目が覚めてしまう。

車探しは持久戦と心得た
車探しは持久戦と心得た